閑古鳥の唐揚げ

全然客が来ない定食屋で鳴いていた閑古鳥を唐揚げにしたら美味しくて繁盛したが閑古鳥がいなくなり唐揚げが作れなくなったという古典落語があります。嘘です。このブログも繁盛させたいです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

第23唐 マンチェスター訛りの中国語

・さなぱる(山形県) 飲食店で自分が注文した物かどうか分からず他の人の様子を見ながら受け取りに行くこと 「スターバックスでソイラテをさなぱる。」 ・こまちょう(福井県・石川県) ペットボトルのフタと本体の間にある細いリングのこと 「何度も開け閉めして…

第22唐 料理

「あのな、俺料理が得意なんよ」 「料理が得意なんや」 「料理ができる男は女にモテるって言うやん、でも全然モテんのよ」 「そうなんかー、土井善晴先生はあんなにモテモテやのにな」 「そうよ、先生はモテるのにな。なんでやろ」 「もしかしたら、献立が悪いんちゃう…

第21唐 せんびきや

給料日だったので、自分に少し高価なご褒美を買うことにした。 日本橋駅近くの店舗に入ると、常連と思しき人でごった返し、店員の声が飛び交っていた。 「芸人の時がビートたけし、文化人の時が北野武」 「顔剃り出来るのが理容室、出来ないのが美容室」 「普段着…

第20唐 「湯桶」は代表例として使うには読み難しすぎる

プラスは赤、マイナスは青で良く書かれる。 どうして、そうなのだろう。 女性は赤、男性は青で書かれることが多い。 なら、女性はプラス、男性はマイナスなのだろうか。 駐車場。 満車は赤、空車は青。 利用者にとっては、空車の方がプラスなのに。 駐車場っ…

第19唐 鼻栓

けんたくんは、いぬのこたろうともりのなかをあるいていました。 するとめのまえから、ながねぎをもったおおおとこがあるいてきました。 おおおとこは、けんたくんにいいました。 「このやさいのなまえをしってるかい?」 けんたくんはすこしおびえながらこ…

第18唐 ポスター

見知らぬ住宅街を歩いていると、見知らぬ政治家の見知らぬ選挙ポスターを目にする。 見知らぬ、とは言ってもデザインはほとんど同じようなもので、加熱処理が必要なほど鮮度に欠ける。 彼らが考えるのはキャッチコピーや名前の平仮名表記の有無だけで、それ…

第17唐 空耳

ある朝、いつものようにお気に入りの洋楽を聴いていると、やけに歌詞が日本語のように聴こえることに気づいた。 「空耳ってやつか」 初めはそう思っていたが、どうも様子がおかしい。 歌詞の一部分だけでなく、全ての歌詞が日本語に聴こえるのだ。 「空耳イヤー…

第16唐 「希少」を「稀少」と書くのは希少

私の父は転勤族だった。 小学校だけで8回の転校を経験したが、転校先での出席番号はほとんどいつも一番最後。それは「流川」という名字のせいなのだが、出欠確認の時には「途中参加の奴を最後にオマケで呼んであげている」感を覚えずにはいられなかった。 唯一、…

第15唐 鈍り行き #1

ソメイヨシノが満ち咲く川沿いを、私は歩いていた。家からほど近いこの土手は、サラリーマン時代によく犬を散歩させた道だった。太陽を反射する水面の向かいでは、真新しいランドセルを背負った小学生が3人並んで歩いている。風で乱れた前髪を直しながらふと…

第14唐 東京

日曜の朝はやけにうるさかった。 けたたましい車の排気音、ネズミの鳴き声、休符の多い音楽、そしてホイッスルの音が、町中に響いていた。 食材が底をついていたのでコンビニへ行こうと外へ出ると、目の前を棒の両端に車輪が付いた奇妙な物体が通り抜けて行…

第13唐 ジャンパー/ジャンバー問題

「あれはジャンパーだろ」 「いやジャンバーだろ」 「するってぇと何かい?ジャンパーをジャンバーって言うってことは、サングリアもサングリヤだってのかい?」 「そうだ」 「じゃあサイゼリアもサイゼリヤだってのかい?」 「そうだ」 「じゃあシャンプーより先にリンス…

第12唐 赤い水垢 白いのりしろ

トルティーヤの実がなる頃、珠子は10度目の成人を迎えた。 太極拳を極めたことで紫綬褒章を受賞した彼女は、サイケこうせんの命中率が100%ではないことを証明し、ノーベル物理学賞を受賞したただ1人のモンゴル人であることもよく知られている。 ジュゼッペ・…

第11唐 盤面の読み書きは学校で習わんのよ

ツッコミ将棋 ☗7六「矢野顕子も最初は楽譜通り弾いてんねん」 ☖8四「DAIGOでも略さんわ」 ☗6八「破れたポイですくえたらアカンやろ」 ☖3四「マックのポテト揚がった時の音のちょうど2オクターブ上やないか」 ☗7七「ソリティアに低俗もクソもないわ」 ☖7四「カフェ…

第10唐 署名

しりとりでの雇用を求める署名一覧 鼻濁音 地場産品 酸辣湯 死生観 足尾銅山 陪審員 爛漫 うまかっちゃん 代替案 腐れ縁 喉頭癌 呪怨 自由人 尿瓶 定額給付金 トルクメニスタン 棒銀 タイムボカン 自尊心 餡 ビーコン ありんくりん アクネ菌 一気通貫 魯迅 A…

第9唐 ロマンスの神様はそんなに冬の歌詞じゃない

コートの上から抱きしめといて ちょっと太った?なんて聞かないで 性格変えた方がいいかもよ ぼんじり勝手に頼んでおいて どこの部位?なんて聞かないで 性格変えた方がいいかもよ お風呂に柚子まで浮かべておいて 今日って冬至?なんて聞かないで 性格変え…

第8唐 サッカーのフォーメーション律俳句

〇4-4-2 碁盤で ワッフル 焼く 〇4-3-3 日焼けの 跡が モナコ 〇4-2-3-1 突き出し から ピッツァ て 〇3-4-3 卒塔婆 壊して 補導 〇3-5-2 何も 言えなくて 夏 〇3-4-2-1 これが 公立 との 差 〇5-4-1 ジャイアント 白田の 胃 〇5-3-2 おつかいで ソフィ 買う

第7唐 平家食卓物語

〇原文 基本コーラと酒を飲め 胡椒不要のひじき味 生醤油とサバと味噌 今日は生粋のトロアジと語らう とろける桃も舌淫らす 絡まる桃も梅の如し 揚げ干物を蒸し煮た物です 塩気に酒のアテの七味おかき 〇現代語訳 基本的にコークハイを飲め。 (アテには)ひじ…

第6唐 (株)フクセン回収センター

「こんちはー!回収に参りました!」 朝露が残る住宅街に、爽やかな声が響き渡る。 「おかしいな、、、ここの先生はいっつもすぐ出てきてくれるのに。」 彼は、二度目のチャイムと共に、先程よりもボリューミーな声をその家に投げ入れた。 「こんちはー!!フクセ…

第5唐 春はあけぼのでいいけど夏は絶対昼だと思う

春は秋物。でんでん太鼓の指す方へ行くと、そこにはタスマニアデビルのかさぶたがあった。世界は、週末を迎えていた。カルカンドライにまっしぐらとはよく言ったもので、新幹線もまた、終着駅を目指しているようだった。いや、終着駅の先を探していたのかも…

第4唐 朝の情報番組ごとに順位がまちまちな時点で星座占いは信用できない

「ここまで、東京に出現した墓荒らしのニュースをお伝えしました。続いて、占いのコーナーです。」 「本日の占い☆カウントダウン♪♪ まずは、11位から9位までです! 11位 おとめ座 今日は全体的にツイてない1日。 ランチのチキン南蛮はあきらめた方が無難かも…

第3唐 みかんは水分が多いという話

実家から大量のみかんが送られてきた。 こんな時、僕は自分の限界に挑戦してみたくなる。 初めは快調だった。みずみずしいみかん達は滑らかに喉を通り、胃に収まっていく。 今年は不作と言っていたが、叔父が作っているみかんはなかなか甘くて美味しいのだ。…