閑古鳥の唐揚げ

全然客が来ない定食屋で鳴いていた閑古鳥を唐揚げにしたら美味しくて繁盛したが閑古鳥がいなくなり唐揚げが作れなくなったという古典落語があります。嘘です。このブログも繁盛させたいです。

第22唐 料理

「あのな、俺料理が得意なんよ」

「料理が得意なんや」

「料理ができる男は女にモテるって言うやん、でも全然モテんのよ」

「そうなんかー、土井善晴先生はあんなにモテモテやのにな」

「そうよ、先生はモテるのにな。なんでやろ」

「もしかしたら、献立が悪いんちゃう?」

「献立か、でも俺は1人で食べる時でもバランスの良い食事を心がけとるよ」

「例えば?」

「昨日の夜で言ったら、ほうれん草の照り焼きと鶏肉のおひたしや」

「アカンでお前、食の交換殺人やん」

「食の交換殺人???」

「そうや、鶏を照り焼きにしてほうれん草をおひたしにせな。食材を絞殺しとるのと一緒やで」

「苦しい死に方やなー、しかし食の交換殺人ってサイコパス彦摩呂が言いそうやな」

「いや、この前普通に彦摩呂が言うとったで」

彦摩呂ナチュラルにサイコパスなんかい」

サイコパスじゃないと食べ物を宝石箱に例えんやろ」

「まあそうか」

「そやで、しかし全然アカンなー、昨日の昼飯は何作ったん?」

「昼飯?昼はパスタ作ったで」

「ええやん、パスタ作れたら女にモテそうやん。ほんで種類は何や、ボロネーゼか、ポモドーロか」

「いやオリジナルなんやけどな、パスタの具材はソーセージで、味付けは醤油のみや」

「お前それ、、、日独伊三国同盟ちゃう?」

「日独伊三国同盟ではないよ」

「日独伊三国同盟やろ、醤油、ソーセージ、パスタの組み合わせは日独伊の枢軸国でしかないやん」

「いや日独伊三国同盟ではないよ、だって戦争してないもん」

「質素加減が戦時中やんけ」

「確かに材料は闇市仕入れたけどやな」

「戦時中やないか、てか現代に闇市なんかあるんか」

成城石井ってことあるやろ、あそこや」

「あれは闇市ちゃうで!あそこはちょっと値段高いだけや」

「え、俺想像よりも1.5倍以上高い値段で商品売っとるとこは全部闇市やと思っとったわ」

「お前全然アカンな、俺の方がちゃんとバランス考えたもん食っとるわ」

「ほなお前の昨日の晩飯なんやったん」

「夫婦喧嘩」

「犬以下やんけ、もうええわ」

「「どうも、ありがとうございましたー」」