「あのな、俺料理が得意なんよ」
「料理が得意なんや」
「料理ができる男は女にモテるって言うやん、でも全然モテんのよ」
「そうなんかー、土井善晴先生はあんなにモテモテやのにな」
「そうよ、先生はモテるのにな。なんでやろ」
「もしかしたら、献立が悪いんちゃう?」
「献立か、でも俺は1人で食べる時でもバランスの良い食事を心がけとるよ」
「例えば?」
「昨日の夜で言ったら、ほうれん草の照り焼きと鶏肉のおひたしや」
「アカンでお前、食の交換殺人やん」
「食の交換殺人???」
「そうや、鶏を照り焼きにしてほうれん草をおひたしにせな。食材を絞殺しとるのと一緒やで」
「苦しい死に方やなー、しかし食の交換殺人ってサイコパス彦摩呂が言いそうやな」
「いや、この前普通に彦摩呂が言うとったで」
「サイコパスじゃないと食べ物を宝石箱に例えんやろ」
「まあそうか」
「そやで、しかし全然アカンなー、昨日の昼飯は何作ったん?」
「昼飯?昼はパスタ作ったで」
「ええやん、パスタ作れたら女にモテそうやん。ほんで種類は何や、ボロネーゼか、ポモドーロか」
「いやオリジナルなんやけどな、パスタの具材はソーセージで、味付けは醤油のみや」
「お前それ、、、日独伊三国同盟ちゃう?」
「日独伊三国同盟ではないよ」
「日独伊三国同盟やろ、醤油、ソーセージ、パスタの組み合わせは日独伊の枢軸国でしかないやん」
「いや日独伊三国同盟ではないよ、だって戦争してないもん」
「質素加減が戦時中やんけ」
「戦時中やないか、てか現代に闇市なんかあるんか」
「成城石井ってことあるやろ、あそこや」
「え、俺想像よりも1.5倍以上高い値段で商品売っとるとこは全部闇市やと思っとったわ」
「お前全然アカンな、俺の方がちゃんとバランス考えたもん食っとるわ」
「ほなお前の昨日の晩飯なんやったん」
「夫婦喧嘩」
「犬以下やんけ、もうええわ」
「「どうも、ありがとうございましたー」」