閑古鳥の唐揚げ

全然客が来ない定食屋で鳴いていた閑古鳥を唐揚げにしたら美味しくて繁盛したが閑古鳥がいなくなり唐揚げが作れなくなったという古典落語があります。嘘です。このブログも繁盛させたいです。

第52唐 料理は準備が9割

「こんにちは。3分03秒クッキングのお時間です。」

「今日は簡単に作れる麻婆豆腐を作っていきましょう。」

「よろしくお願いします。」

「材料はこちらになります。」

「ひき肉、豆腐、長ネギ、にんにく、しょうが、そして各種調味料。かなりシンプルですね。」

「そうですね。」

「豆腐は絹豆腐がいいんですか?」

「いや、木綿豆腐がいいんですが、間違えました。」

「なるほど。そこまで気にしなくてよいですかね。」

「いや、だいぶ気になってます。」

「そうですか。」

「まずは豆腐をさいの目状に切っていきます。」

「はい。絹豆腐が一丁、300グラムです。」

「本当は木綿がいいです。」

「なるほど。」

「キッチンペーパーで一度包んで、水気を切っておきましょう。」

「地味ですが重要な作業ですね。」

「では切っていきます。」

「キッチンペーパーで包んだまま切って行くんですね。」

「いや、間違えました。」

「キッチンペーパーは外して切ると。」

「そうしないと切れません。」

「はい。」

「ではキッチンペーパーを外してこのように切っていきます。」

「結構細かく切るんですね。」

「いや、ミスりました。」

「なるほど。」

ドンジャラのサイコロのサイズになってしまいました。」

ドンジャラのさいの目状に切って行くと。」

「いや、もっと大きく切ってください。」

「はい、ドンジャラのサイコロより少し大きいサイズに切っていきます。」

「そしてこれは水にさらしておきます。」

「せっかく水気を切ったのにですか?」

「やらかしました。」

「水にはさらさず置いておきます。」

「続いて長ネギをみじん切りにしていきます。」

「長ネギは3分の1本使います。」

「これは出来るだけ細かく刻んでいきます。」

「これにはどんな理由があるんですか?」

「香りを立たせるためですね。」

「なるほど。」

「本来であればあらかじめ刻んだものを出す予定でしたが、準備を忘れていましたので今全力で切ります。」

「次回からは余裕を持った行動を心がけてください。」

「少し粗いですが切り終わりましたので、水にさらしておきます。」

「水にさらすのは長ネギだったんですね。」

「その通りです。」

「なるほど。」

「それでは、フライパンに火をつけていきましょう。」

「油大さじ1を引きます。」

「そこに刻んだにんにくとしょうがを入れていきます。」

「刻んでましたっけ?」

「いや、忘れてました。」

「一旦火を止めます。」

「今全力で切りますので、少しお待ちください。」

「こういうミスをしてしまった場合の対処法はありますか?」

「頑張ることです。」

「なるほど、頑張ってください。」

「はい。」

「皆さんは事前にみじん切りにしておきましょう。」

「かなり粗いですが出来ましたので、フライパンに入れます。」

「にんにくとしょうがはそれぞれ一片です。」

「香りが出てくるまで炒めていきます。」

「だいたいどれくらいの時間というのはありますか?」

「感覚ですね。」

「はい。」

「少し時間がかかってますね。」

「火がついてないんじゃないですか?」

「いや、そんなことはないです。」

「失礼しました。」

「すいません、ついてませんでした。」

「はい。」

「火をつけて炒めていきます。」

「火がついてないと炒められないですからね。」

「その通りです。」

「少しずついい香りがしてきましたね。」

「そうですね、でもしょうがの香りしかしないですね。」

「にんにくは入れましたか?」

「すいません、入れてませんでした。」

「にんにくはしょうがと同時に入れておきます。」

「熱っ!」

「にんにくは熱いフライパンに急に入れないようにしましょう。」

「あーーーもういい!!今日はダメ!!!」

「落ち着いてください。」

「また来週やるから!ね!それでいいでしょ!!」

「来週はロールキャベツの予定でしたが、予定を変更して再度麻婆豆腐のレシピをお届けします。」

「酒持ってきて!!」

「本日のレシピ動画は、公式サイトでもご覧いただけます。」

「見るんじゃねぇ!!!」